「あんなに辛かったのに、いっぱい泣いたら気が晴れた!」そんな経験がある方も多いのではないでしょうか?
感情と涙は切っても切れない関係にありますが、そもそも感情とは、期待との関係で生まれます。
喜びは、期待していることが実現したときの感情です。
不安は、期待していることが実現しないのではないかと思ったときの感情。
怒りは、当然期待していることが実現しなかったときの感情。
悲しみは、期待していることを完全に失ってしまったときの感情です。
深く絶望している人は、一切期待しないので、感情が生まれません。
だから、ひどいうつになると無表情になり、感動的なシーンに接しても、嬉しくもなければ悲しくもなく、泣くこともないのです。
「涙」にも大きく分けて3種類あります。
1つは目の表面を保護したり酸素を供給したりするために基礎的に分泌される涙です。
2つ目は玉ねぎを切ったときや、煙やゴミが目に入ったとき、ワサビを食べたときなどに出る刺激性の涙です。
そして3つめは、情動の起伏によって出る感情性の涙です。
感情によって涙が流れると、脳から分泌されるホルモンの「プロラクチン」や、副腎皮質刺激ホルモンの「ACTH」、副腎皮質ホルモンの「コルチゾール」といったストレス物質も涙と一緒に体外に流れ出ます。
つまり、感情がたかぶって流れる涙には、ストレスの原因になる物質を排出する重要な役割があるのです。
また、涙にはストレスによって生じる苦痛をやわらげる脳内モルヒネ「エンドルフィン」に似た物質も含まれているといわれています。
目にゴミが入ったりして涙が出てもストレス物質は流れませんが、悲しいときや悔しいときに思いっきり泣くと、ストレス物質を排出し、苦痛を緩和することができるのです。
「泣くことは心にも体にもいいこと」なのですね。
涙の成分の98%は水分です。
残りの2%がタンパク質やナトリウム、リン酸塩などです。
悔しさや怒りなどを感じて心身が緊張したとき、交感神経が刺激されて流れる涙はナトリウムを多く含んでいます。
悔しいときによく「しょっぱい!」などといいますが、悔し涙はゴミが目に入って流れる涙よりも塩分が多いので、実際にしょっぱく感じるのです。
一方、悲しいときの涙やうれし涙は、水っぽく甘い感じがします。
涙にも味があるなんて驚きですよね?!
みなさんは最近涙を流しましたか?
心がゆらぐ春のひととき、ぜひ大いに泣きましょう!
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